2006年03月19日
私の知らない嬶さん
良く晴れた日であった。大きな子供達は夫々出掛け、幼い子供達だけが、座敷きで遊んで居た。子沢山で多忙な彼女は、次から次ぎと家事は尽きなかった。「あっ〜〜〜〜。」「ウエッ。カッカッカッ。クハ〜〜。」突然の事に、一瞬何が起こったか判らなかった。「嬶さん。」少し年上の女の子が弟の急変を母に知らせた。下の弟が咽に玩具の切れ端を引っ掛けてしまったらしい。見る見る幼い顔は紫色に変色し、虫の息であった。.「…。」未だ若い母は、突然気が狂った様に子供の咽に指を入れた。逆さにして背中を叩いたり、摩ったり。其れでも容易に吐き出せなかった。最早、窒息死寸前のわが子を抱えると、彼女は裸足で駆け出した。町中を駆け抜け街の診療所へ駆け込んだ。「先生!」間一発。「うっえ〜〜ん。」子供の飲み込んだビニールの切れ端は医師の迅速な処置で到頭取りだせた。此れも母の無我の機転が功を奏したのであった。いつの世も母は子の最大の庇護者である。世に母の無我の愛情が有ればこそ、人は生き、国は栄えるのであろう。我が母の無我の愛情に感謝す。「有難う嬶さん。」私は知らない内に母から二度命を戴いた。
とんがり山の天狗
とんがり山の天狗の、権エ門は怠け者。天狗なのに天狗の修行が大嫌いです。「お〜〜〜〜〜いっ。権エ門は居るか。」友達の天狗の三太郎がやって来ました。「修行に行こうよ。」すると「往かん。」どうにも成らん。そこで三太郎は「どうしてだい。」「…天狗は何もしなくても天狗。頑張らなくても天狗。」さすがの三太郎も黙ってしまった。「…う〜む。」「一時に、千里は飛べるぞ!!」「いんや!飛びたく無い。」「お山の大将になれる。」「はははっ。いんや、成らんで良い。」さすがの三太郎も此れには草臥れた。「そんなら、一生懸命修行して偉く成ったら、おッ嬶に会えるぞ!!」その時、到頭権エ門は「嗚呼〜〜〜〜〜。」と云って泣いたとか。
2006年03月02日
ある朝…
王子の住んでいる島は大きな海の真ん中。そう、大平洋の?おへそ?のような小さな島です。真っ白なお日さまが海から昇り、真っ赤な夕日になって海に沈みます。島の人たちは500年間も楽しく暮らしています。或日、王子が目をさますと、おどろきました。ベッドのそばまで水が来ています。「きゃっ。どうしたの。」王子がおどろいて外へ出てみると、島の地面がありません。「昨日まであったのに。」あっちでも、こっちでも大さわぎ。「地面が無〜〜い。」この大平洋の?おへそ?の島には、山が無かったのです。一晩で島全体が無くなったのです。朝ごはんも塩づけ、ベッドも塩づけ、ソファーも塩づけ、お母さんの赤いドレスもも塩づけ、お父さんの黄色の車も塩づけ。学校も水の中。井戸水もしおづけ。もし、明日こうなったらどうしましょう。
2006年03月01日
す〜い す〜いと
暑い陽射しのなかで
鏡のような水たまり
す〜い す〜い 水上スキー
たくさんの 見物人はいないけど
す〜い す〜いと 気持ち良さそう
アメンボ君
うっとりするよな
初夏の風
そよそよと舞う
モンシロチョウ
負けずに舞うのは
アゲハチョウ
なんと オシャレな
アオスジアゲハ
パリコレ帰りの
ルリボシカミキリ
小さな 小さな
ファッションショー
大切な自然…
世界中の国々で
《幸福というものは、一人では決して味わえないものです。》アブーゾー今世界中の国々で、多くの人々が戦い、憎み合っています。何と悲しい事ではありませんか。あなたが居るから幸福を共に味わえる。詩人の宮沢賢治氏の言葉に、《世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない。》とあります。最近理解できる気が致します。《人生における無上の幸福は、我々が愛されていると云う確信である》ユーゴー国内でも自殺者が多いのは、人間の心は見えない奥で繋がり、共に幸せを味わえない、潜在意識下の魂の苦痛がある事も真
実ではないでしょうか。
気の早いクリスマスキャ ロル.09
高い高い空の上へ昇ると周りは次第に蒼味を増して、昼間なのにあちらにも、こちらにも星が輝き出すのです。「あっ、流れ星だ。」遠くへ目をやると、五十メートル位の小さな星が見えました。サファイヤの大きな塊でしょうか。星の上に男の子が手を振って居ます。「お〜〜いサファイヤ君元気かね。」男の子はにこりと微笑みました。「あっ、セント・ニクラウス様。ご機嫌よう。今年もお出かけですか。」「明日は愈々イヴじゃからな。」「もう、そんな季節ですね。」「ほら、此れは君への贈り物だよ。」「えっ、誰からだろう。」「ルビー星のルビー姫からじゃ。」「あっ、紅いペンダント。」「お似合いだね。」「ありがとうセント・ニクラウス様。」「元気でな。」
2006年02月19日
こだわりの「かみさま蜻蛉」
夏の日、草いきれの中で私は無心に虫採りをしている。強い陽射しで一瞬目眩を感じた。其の時、木陰からひんやりとした風と共に、何か青白い光の様な物がよぎった。「あれだ。かみさま蜻蛉だ。」それは一匹と云うか、一つと云うか、「かみさま蜻蛉」の飛跡だった。まるで妖精のような、神秘な存在だった。都会では中々見られない。糸蜻蛉の種類だった。同じくハグロトンボ。これは「羽黒蜻蛉」の意と思う。ハグロトンボは糸蜻蛉より、やや大きく私にはやや、色褪せた存在だった。子供頃の幽かな思いで、感動の一瞬だった。でも「かみさま蜻蛉」の名が一番相応しい。「かみさま蜻蛉」の繊細は蜻蛉よりも私は好きだ。もう会えないだろう。日本の何処かでひっそり生きているのだろう。最近環境の破壊で、「かみさま蜻蛉」の生息圏も失われているそうだ。
『み、見つけたぞ!!かみさま蜻蛉』
http://www.lbm.go.jp/emuseum/zukan/tonbo/ito.html
2006年02月17日
大巨人ブレア
大巨人ブレアは旅をしました。大きな川が流れていました。水かさが増して、皆が困っていました。大巨人ブレアは水面に口をつけると、「が〜っ。」と一息に飲み干しました。川の水かさは一度に下がってしまいました。沢山の人たちが川を渡れました。「ブレアありがとう。」大巨人ブレアが旅をしていると、ある村が大火災。真っ赤な火の海でした。「ブレア助けて。」ブレアはさっき飲み込んだ水を口から吹き出しました。「びゅ〜〜〜っ。」たちまち大火事は消えて、皆大喜び。「大巨人ブレアありがとう。」しばらく歩くとブレアは海に着きました。すると海岸では大きなクジラが浅瀬に乗り上げ、とても苦しそう。クジラは言いました。「ブレア助けて。」ブレアはクジラのしっぽをひょい、とつまむと、海へ放り投げて助けてくれました。「大巨人ブレアありがとう。」そんな優しいブレアにも、小さな悩みが有りました。そっと小さな声で言いました。「およめさんが欲しいよ。」小さな声で言いました。それでも神様には、ちゃんと判っていました。やがて巨大で優しいブレアに、小さな花嫁さんがやって来ました。「貴方の大きなところが大好き。」するとブレアは「貴女の可愛いところが大好き。」愛でたし、目出度し。
2006年02月12日
気の早いクリスマスキ ャロル.005
北の国では早々と白い綿帽子が舞い降りて来たロビンは待ち遠しくて仕方が無いのでしょう。「未だかな、はやく来ないかなぁ。ねえ、おとうさん。」何かって、其れはお出かけ。「あ〜。御主人さま。未だかなぁ。」
「はっはっはっはっは。ロビンや、辛抱おし。」「お前もとうとう、そんな年になったんだねぇ。おとうさん。」「だって、ぼくは、初めてなんだよ。クリスマスまで、あと何日?」微笑みながら。「あと一週間ですよ。」「待切れない〜。」「しょうがない子ね。」「でも、大変な事なんですよ。だって世界中の子供達が、私達を待っているのよ。」「そうだ。まあ、早く寝なさい。」外は又時間が止まった様に吹雪いてます。
「ぼく、眠れない。」……………………………外では、ごうっと風が唸ります。「息子は寝たかい。」「
ええ。」……ぼく、赤はな三世。今年からいよいよ現役宜しく。
エコ系犬ジョニーの物語り
黒い子犬のジョニーは、お散歩が大好き。少し歩いては街角へ。今日も、お供はモンシロチョウのシロー。ジョニー、少し歩いては門柱に、少し歩いてはポストに、少し歩いては街路灯に。何してるのジョニ−。「ほっ。」として一息。でも、誰かが見てるよジョニ−。「あ。あれは。」そう、あれはジョニ−の大好きな白犬のメァリーでした。メァリーは見て見ぬふり。「さっきから、ずっと見ていたのかな。」ジョニ−はとても恥ずかしくなってしまいました。良く見るとメアリーの近くに、矢張り立派な白犬がいます。あの男の子は誰だ。電柱の前でも堂々としています。ジョニ−は恥ずかしくて、「向こうへ行こう。」行ってしまいました。
